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現代アートで有名な日本人15選|注目すべき若手アーティストも紹介

現代アートで有名な日本人15選|注目すべき若手アーティストも紹介

どこか人々の心を惹きつける現代アート。そんな作品を手掛けるアーティストは世界だけでなく、日本にも数多くいます。今回の記事では、現代アートで有名な15人の日本人から、注目すべき日本の若手現代アーティストまで一挙に紹介します。

現代アートで有名な15人の日本人

日本にも数多くの現代アーティストが存在し、国内外で高い評価を受けています。ここでは現代アートで有名な15人の日本人を紹介します。

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1. 草間彌生

草間彌生は長野県生まれのアーティスト。赤いおかっぱと奇抜なファッションが特徴です。幼少期から悩まされた幻視や幻聴の体験をもとに、水玉模様や網目模様をモチーフとした作品を制作。

世界でも絶大な評価を受けており、「水玉の女王」「前衛の女王」と呼ばれています。代表作は「かぼちゃ」「花咲ける妻有」。

2017年10月には草間彌生美術館を開館。コレクションを年2回の展覧会にて紹介したり、講演会を催したりするなど、現在も精力的に活動を続けるアーティストの一人です。

2. 村上隆

村上隆は東京都生まれのアーティスト。キュレーター、コレクター、映画監督といった肩書を持ちつつ、有限会社カイカイキキの創業者でもあります。ハイカルチャーとローカルチャーの境界を行く概念・芸術運動「スーパーフラット」を提唱しました。

アニメやフィギュアなどサブカルチャーを代表するオタク系の題材を用いた作品は有名です。代表作品である「マイ・ロンサム・カウボーイ」は、2008年のサザビーズのオークションにて1516万ドル(約16億円)で落札されました。おり、

3. 横尾忠則

横尾忠則は兵庫県生まれのアーティスト。1960年よりグラフィックデザイナー、イラストレーターとして活動。唐十郎、寺山修司、土方巽といった舞台芸術のポスターなどを数多く手がけました。

1980年、ニューヨーク近代美術館で開催されたピカソ展に衝撃を受け、画家への転向を宣言。森羅万象に及ぶ多様なテーマを描いた絵画作品を制作。国内の国公立美術館での個展のほか、パリのカルティエ現代美術財団(2006)など、海外でも多数の作品を発表しています。

4. 岡本太郎

岡本太郎は、神奈川県生まれのアーティスト。父はマンガ家の岡本一平、母は歌人で小説家の岡本かの子。1930年から1940年までフランスで過ごしており、パブロ・ピカソの抽象画が彼に影響を与えています。

戦後、創作活動を再開。常識や権威に挑む作品を次々に発表。1970年には日本万博博覧会(大阪万博)の核となる「太陽の塔」をプロデュース。人類と調和をテーマに開催された万国博覧会の象徴として制作されたこの作品は、人間の尊厳と無限の進歩、発展を表現してます。博覧会開催期間中、6,400万人の来場者に多くの感動を与えました。

1989年にはフランス政府より芸術文化勲章を受賞しています。

5. 赤瀬川原平

赤瀬川原平は神奈川県生まれの前衛美術家、小説家。漫画、文筆、写真など様々な分野で活躍。作家としては尾辻 克彦(おつじ かつひこ)というペンネームを持ちます。

1963年、千円札の表だけを一色で印刷した「模型千円札」が通貨及証券模造取締法違反に問われ起訴、1970年に有罪となりました。

同裁判の控訴審が終了した1968年頃には、漫画家・イラストレーターの活動を開始。『櫻画報』の成功によってパロディ漫画の旗手となります。さらに1970年代には文学の世界に参入。81年に尾辻克彦名義で発表した小説「父が消えた」で第84回芥川賞を受賞しました。

6. 河原温

河原温は愛知県生まれのアーティスト。1951年に上京。1959年以降、中南米、北米、欧州を訪問した後、ニューヨークを拠点にその生涯を過ごしました。コンセプチュアル・アートの第一人者として国際的に高い評価を受けています。

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代表作は電報を用いたシリーズ「I AM STILL ALIVE」。この作品は「I am still alive.」(私はまだ生きている)という文面の電報を世界各地から発信するというもの。1970年から2000年までの30年間、約900通が世界各地の知人やキュレーターなどに送られました。

7. オノ・ヨーコ

オノ・ヨーコは東京都生まれの前衛芸術家、音楽家、平和運動活動家。1960年代は芸術運動「フルクサス」の一員として活動。床に置かれたキャンパスを踏みつけられることで完成するコンセプチュアル・アート「踏まれつための絵画」を制作しました。

1969年には「ザ・ビートルズ」のメンバー、ジョン・レノンと結婚。結婚後も彼と共に制作活動に勤しみます。「ベッド・イン」は結婚式のハネムーン中、アムステルダムのヒルトンホテル702号室で披露した平和活動パフォーマンスです。ホテルの一室に記者を招き入れ、平和のメッセージを大々的に発信しました。

8. 李禹煥(リ・ウーファン)

李禹煥(リ・ウーファン)は「もの派」を代表するアーティスト。1956年来日以降、作らないという姿勢を取ることで、自然や人工の素材をそのまま組み合わせた作品を展開しています。代表作は「関係項」シリーズや「線より」。

2019年には長さ25メートル・幅3メートルのステンレス板と、同じ長さ・幅、素材のアーチ、そしてそれを支えるように置かれた2つの自然石からなる巨大な展示作品「無限門」を制作。「もの」と関係性を追求し、様々な視点で作品を展開し続けています。

9. 柳幸典

柳幸典は福岡県生まれのアーティスト。1993年にイエール大学フェローシップ美術学部優秀賞と第45回ヴェネチア・ビエンナーレアペルト部門で受賞するなど、国政的にも高い評価を受けています。

代表作「バンザイ・コーナー」は349体のウルトラマンとウルトラマンセブンが万歳して整列し、鏡により日の丸を作り出される作品。天皇制という主題に対して、ポップカルチャーという視点で切り込んでいます。

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10. 杉本博司

杉本博司は東京都生まれの写真家、美術作家。東京およびパリを拠点に活動。写真家のイメージが強い杉本ですが、建築設計や彫刻、舞台芸術なども手がけるなど活動は多岐にわたります。代表的な作品は「ジオラマ」や「劇場」、「海景」。

国内外で高く評価されており、2001年にハッセルブラッド国際写真賞、2009年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。

11. 会田誠

会田誠は新潟県生まれのアーティスト。絵画、映像、立体、漫画、パフォーマンスなど様々なメディアで制作しています。

代表作は「犬」「ジューサーミキサー」など。美少女、暴力、戦争、エログロなどセンシティブなテーマを扱うことから、彼の作品は物議を醸すこともしばしば。作品を展示した美術館に抗議と作品撤去の要請の圧力を受けることも。

一方で、奇想天外な対比や痛烈な批評性を提示する作風は、幅広い世代から圧倒的な支持を得ています。

12. 宮島達男

宮島達男は東京都生まれのアーティスト。発光ダイオード(LED)を使用した作品で広く知られています。「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」という3つのコンセプトをもとに、時の流れや人間の営みについて考察したインスタレーションなどを発表しています。

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代表作は「sea of time」。LEDの光が数字を刻むこの作品はヴェネツィア・ビエンナーレ・アペルト88にも展示され、国際的にも高い評価を得ました。

13. 中村政人

中村政人は秋田県生まれのアーティスト。「美術と社会」「美術と教育」との関わりをテーマに様々なアート・プロジェクトを実行しています。

代表作「QSC+mV / V.V」はマクドナルド社のMサインを使った作品。第49回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にて出展されました。既成概念に囚われない彼の取り組みは多くの人々に鮮烈な刺激を与えます。

14. 池田亮司

池田亮司は岐阜県生まれのアーティスト・作曲家。日本とパリを拠点に活動する彼は電子音楽を使った作曲、パフォーマンス、インスタレーションで知られています。

代表作品である「data-verse」は近年池田が取り組んでいるデータの視覚化を象徴するような作品。DNA情報や素粒子、宇宙など科学領域に関するデータを作品に取り入れており、まるでデータ空間に身を置くような体験を感じさせます。

15. 塩田千春

塩田千春は大阪府生まれのアーティスト。ベルリンを拠点に世界各地で活動を続けています。「生きることとは何か」「存在とは何か」と真摯に向き合う彼女は記憶、不安、夢、沈黙など、かたちの無いものを表現したパフォーマンスやインスタレーションで知られています。

2019年には森美術館にて個展を開催。展示の1つであった「不確かな旅」は真っ赤な糸で覆われた空間に、フレームだけの舟が配置されたインスタレーション。不確かな旅の先にある様々な出会いを表現しているかのようです。

注目すべき日本の若手現代アーティスト3人

ここでは、注目すべき日本の若手現代アーティストを3人紹介します。

1. 石原海

石原海は東京都生まれのアーティスト・映画監督。愛やジェンダー、個人史、社会などをテーマとした作品を展開。

2019年には東京藝術大学の卒業制作「忘却の先駆者」と初長編映画「ガーデンアパート」の2作がロッテルダム国際映画祭に選出されるなど、国内外で高い評価を受けています。

2. 磯村暖

磯村暖は東京都生まれのアーティスト。2016年東京芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。移民・難民、宗教美術、物理学、SNS上の美学などを参照しながら、絵画や彫刻、インスタレーションなど様々な作品を展開。代表作は「地獄の亡者像」。

Forbes JAPANが主催する、30歳未満の世界を変える人物を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN 2019」では、アート部門受賞者の一人に選出されています。

3. ナイル・ケティング

ナイル・ケティングは神奈川県生まれのアーティスト。ベルリンを拠点に活動する彼は、映像、パフォーマンス、インスタレーション、サウンドなど様々な要素を取り入れた作品で知られています。

近年出展した主な展覧会は「第7回モスクワ国際現代美術ビエンナーレ」「Made in Germany Drei」など。2019年に公開された「Remain Calm」は、日本で経験した避難訓練から着想を得て生み出されたパフォーマティヴ・インスタレーションです。

まとめ

今回の記事では現代アートを代表する日本人アーティストと注目すべき日本人アーティストを紹介しました。

アーティストによって、考え方や表現方法は様々。気になったアーティストや作品があったら、調べてみたり、実際に美術館に行って作品を鑑賞してみてください。もしかしたらあなたにとって、人生を彩るような素敵なアート作品に出会えるかもしれませんよ。

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