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インスタレーションとは|起源や代表作品、有名日本人アーティストを紹介

インスタレーションとは|起源や代表作品、有名日本人アーティストを紹介

場所や空間全体をアートとして表現する「インスタレーション」。最近ではテレビや雑誌、SNSなどで取り上げられることも多いため、インスタレーションを知っていたり、実際に行ったことがある方も多いかもしれません。

今回の記事では、インスタレーションとは何か、起源や代表作品、有名なアーティストを紹介していきます。

インスタレーションとは

インスタレーションとは現代アートの1つで、場所や空間全体を作品として表現するアートです。空間全体が作品であるため、鑑賞者は作品を「鑑賞」するというより、作品に全身を囲まれて空間全体を「体験」するアートとなっています。

インスタレーションの表現技法はアーティストによって様々。映像、彫刻、絵画、日常的な既製品(レディメイド)や廃物、音響、スライドショー、パフォーマンスアート、コンピュータなどアーティストの意向に合わせて様々なメディアが使われます。

インスタレーションの歴史

「インスタレーション・アート」として登場し始めたのは、1970年代頃。絵画や彫刻など既存のジャンルと区別するためにこの概念・アートが誕生しました。今では、音や光を使った作品や、観客を内部に取り込むタイプの作品など様々なインスタレーションが展開されています。

インスタレーションの楽しみ方

インスタレーションは目で見て耳で聞き、一部の作品には触れることもできます。アート初心者にとっても身体で感じることができるので、すごく分かりやすいアートと言えるでしょう。まるで作品に包まれているかのような、作品の一部として溶け込んでいくかのような体験ができるのがインスタレーションの魅力です。五感を総動員して目の前の景観を楽しんでください。

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インスタレーションの代表アーティスト・作品

ここではインスタレーションの代表アーティストについて、代表作品とともに紹介します。

1. ダミアン・ハースト

ダミアン・ハーストはイギリス生まれのアーティスト。「世界で最も稼ぐアーティスト」として有名です。芸術、宗教、科学、生や死といったテーマに対して、絵画、彫刻、インスタレーションなど様々な手法を用いて表現してきました。特に生や死を題材とした作品は過激なものが多く、現代アート界隈に強烈な印象とインスピレーションを与えています。

代表作「Natural Historyシリーズ」

切断された動物の死体がホルマリン漬けになっている作品シリーズの一つ。ハーストの作品のなかで最も物議を醸した作品と言われており、動物愛護団体やアート関係者から批判や非難を浴びました。

サメをホルマリン漬けにした作品「生者の心における死の物理的不可能性」はターナー賞の候補作品としてノミネート。1995年に発表された縦二つに切断された牛と子牛をホルマリン漬けにした「Mother and Child(Divided):(母と子(分断されて))」でターナー賞を受賞しました。

2. カラ・ウォーカー

カラ・ウォーカーはアメリカ生まれのアーティスト。人種・性別・セクシュアリティ・暴力を題材として、様々な作品を制作しました。現在はニューヨークを拠点に活動。ラトガース大学、大学院美術科(MFA)の教員を務めています。

代表作「Darkytown Rebellion」

代表作「 Darkytown Rebellion」は黒い切り絵のタブローを、部屋全体に展開したインスタレーション。一見メルヘンチックな雰囲気を持つ彼女の作品は、アメリカに根深く存在する人種差別や偏見を喚起しています。

3. ジュディ・シカゴ

ジュディ・シカゴはアメリカ生まれの美術家、教育者、作家。フェミニズムを題材として、歴史や文化に置ける女性の役割や位置づけを問いかける作品で知られています。

また、1970年代初期のアメリカにおけるフェミニスト美術運動の中心的人物であり「フェミニスト・アート」という言葉を作り出したと言われています。

代表作「ザ・ディナー・パーティー」

「ザ・ディナー・パーティー」は彼女の作品の中でも最も影響力があり、象徴的なインスタレーションです。照明を落とした広い部屋の中に、正三角形に配置されたテーブル。その上には39枚の皿が置かれ、翼や花びら、揺れ動く炎の形などが描かれています。
現在はブルックリン美術館のエリザベス A. サックラー フェミニスト アート センターで常設展示されています。

4. トーマス・ヒルシュホルン

トーマス・ヒルシュホルンはスイス生まれのアーティスト。自身の作品を「政治的な芸術」と呼び、戦争・貧困・民族などのテーマを中心に社会批判的な作品を発表しました。中古の日用品などの身近で安価な材料を使って作品を制作することでも知られています。

代表作「崩落」

ヒルシュホルンが手掛ける大型インスタレーション。壁が崩れ落ち、瓦礫が積み上がる同作品はまさに「崩落」そのもの。瓦礫を表現している材料は段ボール段ボールやビニールテープなど、日常の素材が用いられています。リアリティといった言葉では捉えることのできない作品の抽象性が表れています。

5. アラン・カプロー

アラン・カプローはアメリカ生まれの芸術家。ギャラリーや市街地で、観客や一般人を不意に巻き込む身体パフォーマンスやゲリラ的作品展示「ハプニング」を仕掛け、その創始者および命名者となりました。

代表作「6つのパートからなる18のハプニング」

「ハプニング」の最初期の作品と言われているこの作品は1959年、ニューヨークのルーベン画廊で開催されました。楽器の演奏やライブペインティングなど、6つの部屋に分かれて、各部屋で3種類のパフォーマンスを展開。観客も指示に従って椅子や部屋を変更することで、作品の一部として参加しました。

ハプニング – Wikipedia

インスタレーションで有名な日本人アーティスト

ここではインスタレーションで有名な日本人アーティストを紹介します。

1. 草間彌生

草間彌生は、長野県生まれのアーティスト。彼女の代名詞となっている「水玉模様」は幼少期より悩まされた幻視や幻聴が影響しています。

彼女の表現活動は多岐にわたり、絵画や立体作品の制作だけではなく、ハプニングと称される過激なパフォーマンスを実施。海外でも高く評価されており「前衛の女王」とも呼ばれています。代表作品は「無限の鏡の間」「南瓜」。

2. 松山智一

松山智一は岐阜県生まれアメリカ・ニューヨーク在住の美術家。作品には東洋と西洋、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素が見られ、これは日本とアメリカの両国で育った松山自身の経験が反映されています。

米国、ヨーロッパ、アジア各国で作品を発表し、JR新宿駅東口のパブリック・アートや明治神宮での作品設置など大型プロジェクトも有名です。

3. 山本 基

山本基は、広島県生まれのアーティスト。若くしてこの世を去った妻や妹との思い出を忘れないために、塩を用いたインスタレーションを制作。作品のモチーフには、「渦巻き」や「迷宮」、「階段」や「トンネル」などがあります。塩の作品を鑑賞者とともに壊し、その塩を海に還すプロジェクトも実施しています。

まとめ

今回の記事では現代アートの一種であるインスタレーションについて紹介しました。インスタレーションとは場所や空間全体を作品として表現するアートであり、鑑賞者は五感を使って楽しめるのが魅力です。見たり、聞いたり、感じたりするなど、まるでテーマパークのような気分で作品を味わうことができます。ぜひ、インスタレーションが展示されている場所に足を運び、その魅力を体感してみてください。

現代アートとは|定義や歴史から楽しみ方、代表作、現代アートが鑑賞できる美術館まで紹介

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