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ポップアートとは|起源や代表作品、有名日本人アーティストを紹介

ポップアートとは|起源や代表作品、有名日本人アーティストを紹介

ポップアートは大量生産・大量消費の社会のイメージを取り入れたアート。雑誌や広告などの素材として取り入れられることが多く、名前は知らずとも、ポップアートを見たことがある方は多いかもしれません。

今回の記事ではポップアートとは何か、歴史や楽しみ方から、代表アーティスト・作品に至るまで幅広く紹介します。

 

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ポップアートとは

ポップアートとは現代アートの一つで、大量生産・大量消費の社会のイメージを取り入れたアートです。ポップアートは大衆的なイメージとポップで明るい色の色使いが特徴です。ポップアートのテーマはアーティストによって異なり、雑誌や広告、漫画などが素材として扱われます。

ポップアートの歴史

アートの表現というのは、当時の歴史的背景の影響を大きく受ける傾向があります。ポップアートはそのうちの一つです。

ポップアートの歴史は、第二次大戦後の1950年代半ばのイギリス、1950年代後半のアメリカから始まりました。

それ以前の芸術は崇高かつ高貴なものと捉えられており、自然や風景、人物などが題材として扱われてきました。大量生産・大量消費をテーマに取り入れることによって、これまで高貴な印象であったアートを否定し、誰でも親しみやすいアートへと変えた芸術的ムーブメント、これがポップアートなのです。

ポップアートの楽しみ方

ポップアートは大量生産品である雑誌や広告、漫画などがモチーフとなっており、アート初心者でも親しみやすい作品となっています。ポップアートの楽しみ方としては美術館に足を運んでみるのがおすすめです。ポップアートが生み出す明るくポップな絵は見ているだけでもあなたをワクワクさせてくれるはずです。

また、ポップアートはTシャツのデザインやバッチ、ポスターなどに使用されています。ポップアートが描かれているグッズを購入したり、部屋に飾ってみるのもよいでしょう。

【初心者向け】絵画の楽しみ方|鑑賞するコツや美術館で楽しむポイントも解説

ポップアートの代表アーティスト・作品

現在に至るまで、多くのアーティストがポップアートを手掛けてきました。ここでは、ポップアートの代表アーティストについて、代表作品とともに紹介します。

1. ジャスパー・ジョーンズ

ジャスパー・ジョーンズはアメリカ生まれの芸術家。アメリカの国旗や標的、数字などをモチーフにした作品が特徴です。

代表作「旗」

彼の代表作である「旗」シリーズは星条旗を油絵でフラットに描き上げたもの。絵の具を塗った筆跡が残っているのは、蜜蝋を使う「エンカウスティーク」という技法で施されているためです。星条旗の縞模様の下には、蜜蝋で塗り固められた新聞紙がコラージュされているのが見えます。

2. ロバート・ラウシェンバーグ

ロバート・ラウシェンバーグはアメリカ生まれの美術家。身の回りのさまざまなものを寄せ集めた「コンバイン・ペインティング」と呼ばれる立体絵画を制作。後のポップ・アートの先駆けとなる「ネオ・タダ」と呼ばれる前衛芸術運動の代表的な作家として活躍しました。

代表作「ホワイト・ペインティング」

1940年代後半のニューヨークは、抽象表現主義が主流でした。この抽象表現主義に違和感を覚えた彼は、絵から全ての表現をなくそうと、真っ白な絵を描くようになったのが「ホワイト・ペインティング」シリーズの始まりです。

また、この作品には絵画の中の狭い世界だけに目を向けるのではなく、外の世界に目を向けるように呼びかけるといった趣旨が含まれています。

3. リチャード・ハミルトン

リチャード・ハミルトンは、イギリス・ロンドン生まれの画家。ロンドンのロイヤル・アカデミー、スレード美術学校などでアートや工学を学び、1950年頃からアーティストとしての活動を開始。

日本では2008年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。

代表作「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」

代表作「一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか」は、マスメディアのイメージを使って制作されたコラージュ作品。彼のコラージュ作品には当時の人々の憧れであったアメリカの雑誌に掲載された写真や図柄が素材として使われています。

この作品をきっかけにリチャード・ハミルトンは「ポップアートの先駆者」と呼ばれ、1950年代アメリカのポップ・アーティスト達に多大な影響を与えました。

一体何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力あるものにしているのか – Wikipedia

4. アンディ・ウォーホル

アンディ・ウォーホルは、アメリカ・ニューヨーク生まれの芸術家。「ポップアートの旗手」として、ロックバンドのプロデュースや映画監督、物書きなど幅広い分野で活躍しました。元々は広告業界でデザイナーとして活躍していたウォーホル。32歳のときに、広告業界からファインアートへ転向しました。彼の作品は有名人やマスメディア、大衆文化が生み出した商品などを扱っているのが特徴。また、同じ図版を大量に生産できる技法「シルクスクリーン」を用いた作品も有名です。

代表作「キャンベルのスープ缶」

代表作である「キャンベルのスープ缶」は32枚のカンバスから成る作品。高さ20インチ、幅16インチの寸法の個々のカンバスにはキャンベル・スープ・カンパニーのスープ缶の絵が描かれています。

描かれているスープ缶は、当時キャンベルが販売していたスープ缶詰です。当時の大量生産消費社会の象徴といえる作品と言われています。

キャンベルのスープ缶 – Wikipedia

5. ロイ・リキテンスタイン

ロイ・リキテンスタインはアメリカ生まれの芸術家。漫画の一コマや商業広告をはっきりとした輪郭線や色、印刷インクのドットが分かるまで、すべてを大きく拡大して再現する作品が広く知られています。

代表作「ヘアリボンの少女」

「ヘアリボンの少女」は1965年に制作された油彩作品。彼の作品は三原色(赤、青、黄)に黒を加えた四色を用いた作品が多く、この作品もその一つです。現在は、東京都現代美術館が所蔵しています。

 

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ポップアートで有名な日本人アーティスト

ここでは、ポップアートで有名な日本人アーティストを紹介します。

1. 草間彌生

草間彌生は日本を代表する世界的アーティストの一人。絵画、コラージュ、彫刻、パフォーマンス、環境インスタレーションなど幅広い表現を通じて芸術活動を行っています。

水玉模様をモチーフとしたアートが有名な彼女ですが、幼いころは幻覚、幻聴に悩まされていました。そんな症状から逃れるために描くようになったのが、水玉模様だったようです。

2016年には『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に唯一の日本人として選ばれています。

2. 横尾忠則

横尾忠則は日本のポップアートを代表する画家の一人です。元々グラフィックデザイナーとして働いており、唐十郎、寺山修司、土方巽といった舞台芸術のポスターなどを数多く手がけ、69年にパリ青年ビエンナーレ版画部門大賞を受賞。1980年7月にニューヨーク近代美術館で開催されたピカソ展に衝撃を受け、1982年に「画家宣言」をして画家に転向しています。

代表作である「Y字路」を描いたシリーズは、幼少期を過ごした故郷・兵庫県西脇市のY字路がモチーフになっています。

3. 田名網敬一

田名網敬一は国際的に有名なポップアーティスト、グラフィックデザイナー。子どもの頃から絵を描くことが好きだった彼は、当時は漫画家を目指していたそうです。

彼の作風は9歳の時に経験した東京大空襲から生まれています。空襲に遭う東京の光景が作品のモチーフになっています。ファッションブランドや異業種アーティストとのコラボレーションも展開し、メディアを限定せず活動していく姿は多くの人に影響を与えています。

まとめ

今回の記事では、ポップアートについて紹介しました。ポップアートは広告や漫画など大量生産された大衆文化のイメージを取り入れたアートです。当時の伝統的な絵画に対抗する形で誕生し、今もなお、多くの人を惹きつける作品として注目され続けています。

ポップアートに少しでも興味が湧いたら、美術館に訪れたり、グッズを購入してみたりなど、ポップアートに触れてみてください。現代アートに興味を持つきっかけは人それぞれ。もしかしたら、ポップアートが現代アートに興味をもつきっかけになるかもしれません。

現代アートとは|特徴・歴史や楽しみ方、代表作品、美術館を紹介

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