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ストリートアートとは|歴史や人気の理由、有名アーティストを紹介

ストリートアートとは|歴史や人気の理由、有名アーティストを紹介

ストリートアートとは、壁や建物、電車など公共の場所に描くアート形式です。作品が高額で落札されたり、アパレルとのコラボTシャツを発表したりするなど、何かと話題のあるストリートアート。この記事では、ストリートアートの概要や人気の理由、主な技法、有名な代表アーティストを紹介します。

「ストリートアートアートとはどんなアート?」
「ストリートアートで有名アーティストを知りたい」

このような疑問を持っている方はぜひ最後まで一読ください。

ストリートアートとは

ストリートアートとは、壁や建物、電車など公共の場所に描かれるアートです。さまざまな形態やスタイルを取り入れているのが特徴です。グラフィティ、ポスター、ストリートインスタレーション、貼り絵など多様な表現手法が使われています。

また、社会的な問題や政治的な声明、文化的なアイデンティティ、個人の表現などさまざまなテーマに紐付けられて描かれることも多いです。

一方でストリートアートは無許可で描かれるケースもあります。もちろん、無許可での制作は違法です。しかし、バンクシーなどの有名アーティストの影響力と表現力は無視できないものがあり、公共の場における無許可での制作に関してしばしば意見が分かれます。

ストリートアートの歴史

ストリートアートの歴史は、1920年〜1930年代のニューヨークでギャングたちが電車の車体や壁に描いたグラフィティ(落書き)が始まりであるとされています。

1980年代以降、ストリートアートは世界中で広がり、異なる文化やスタイルに影響を与えました。一部のアーティストは、政治的なメッセージや社会問題に焦点を当てた作品を描くようにもなりました。

ジャン=ミシェル・バスキアやキース・ヘリング、現代においてはバンクシーにより、アート市場で高い評価を受け、ストリートアートは国際的な注目を浴びるようになったのです。

グラフィティアートとの違い

ストリートアートと似たアートとして、グラフィティアートが挙げられますが、いくつかの違いがあります。

グラフィティアートは一般的に、文字やシンボルを用いたタグや落書きのことを指します。アーティスト自身のアイデンティティやメッセージを示すことが多く、非合法で描かれることが多いです。

一方、ストリートアートは多様な表現手法を含みます。絵画、イラスト、ステンシル、ポスターアートなどがあり、アートとしての芸術性や社会的なメッセージを伝えることがよくあります。通常、ストリートアートは都市の公共空間で合法的に展示され、アーティストは許可を得ることが一般的です。

とはいえ、ストリートアートとグラフィティアートは共通する点もあり、これらを総称してストリートアートと呼ばれることが多いです。

グラフィティアートとは|ストリートアートとの違いや代表アーティスト・スポットを紹介

ストリートアートが人気な理由

ストリートアートが人気の理由として挙げられるのは理解しやすく親しみやすい点です。

美術館やギャラリーではなく公共空間で展示されるため、誰でもアートに触れやすいのです。

ストリートアートは社会的な問題や政治的な声明を取り入れ、時折ユーモアや遊び心、皮肉を込めて表現することで、多くの人々が楽しめるアートとなっています。

ストリートアートの主な技法

ストリートアートでは、さまざまな技法を持って描かれます。ここでは、ストリートアートの主な技法を紹介します。

スプレー

スプレーはストリートアートの代表的な技法の一つで、スプレー缶を使って絵を描きます。スプレーの強弱によって細かいディテールから大胆なアートまで表現できるのが魅力です。

グラフィティ

グラフィティは、文字や名前をスプレーペイントなどで描くストリートアートの技法です。グラフィティを描く人をライター(writer)やペインター(painter)と呼ぶこともあります。

ステッカー

ステッカーを貼る技法です。市販のステッカーを使用するだけでなく、アーティストによっては独自のステッカーデザインを制作することもあります。

ステンシル

ステンシルアートは、図案やデザインを切り抜いた型紙(ステンシル)を使用して、絵画を描く方法です。ステンシルは、正確で詳細なイメージを再現できるのが魅力であり、型紙があれば何度でも複製できます。

モザイクタイル

モザイクタイルは、小さいタイルや破片を組み合わせて表現する技法です。色・形・素材感によって多様なバリエーションの作品が生まれています。

ストリートアートで有名な5人の代表アーティスト

最後に、ストリートアートで有名な代表アーティストを5人ピックアップして紹介します。

1. ヴィールス

ヴィールスはポルトガル出身のストリートアーティストです。彫刻による独自の壁面アートが有名で、建物や廃墟の壁の表面を削り取り、人物の顔を表現します。作品によっては電動ドリルや火薬を使うことも。

このような技法から粗削りな仕上がりをイメージしてしまいがちですが、ヴィールスのアートは壁で削ってできたものとは思えないほど精巧かつ写実的な作品ばかりです。

2. レディーピンク

レディーピンクは、エクアドル出身ニューヨーク育ちのストリートアーティストです。本名はサンドラ・ファバラ。1980年代から活動を開始し、男性優位のグラフィティアートシーンにおいて、多くの美術館で作品を展示するなど女性アーティストとして成功を収めています。

レディーピンクの作品は、鮮やかな色彩のデザインが特徴です。都市の壁や列車に彼女の独自のスタイルでアートを描きました。彼女の作品はしばしば女性の権利や社会的メッセージを取り入れています。

3. キース・ヘリング

キース・ヘリングは、アメリカ出身のストリートアーティスト、ポップアーティストです。

ニューヨークの地下鉄で描いたグラフィティ作品をきっかけに、注目を集めるようになりました。彼の作品はシンプルな線と明るい色彩で構成され、キャラクターのような人間や犬の絵が特徴的です。

4. バンクシー

バンクシーは、イギリスの謎めいたストリートアートアーティストです。その正体は未だに明らかにされていません。政治的な風刺、社会的な問題、文化的なコメントを含む作品で知られており、独自のステンシル技法を駆使して都市の壁や建物にアートを描きます。

彼の作品は世界中で高い評価を受けており、アート市場でも高額で取引されています。

5. ブレック・ル・ラット

ブレック・ル・ラは、フランスのストリートアートのパイオニアであり、「ステンシル・グラフィティの父」と呼ばれています。1980年代から制作活動を開始。ステンシル技法を用いて、パリの街中の壁にネズミをモチーフとしたグラフィティを描きました。

バンクシーもネズミをモチーフとしたアートを取り入れていますが、先に描いていたのはブレック・ル・ラットなのです。バンクシーに多大な影響を与えたこともでも知られています。

まとめ

この記事では、ストリートアートの概要、代表アーティスト、有名スポットについて紹介しました。

スプレーやステンシルなどを使って表現されるストリートアートにはインパクトがあり、鑑賞者を圧倒するような力を感じられます。本記事をきっかけにストリートアートに興味を持ってもらえたら幸いです。

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